2025年6月3日、神戸市にあるグループホームにて、
音楽療法「えとわ」として
初めてのトライアルセッションを実施しました。
この日は入居者9名の方々と
スタッフの皆様にご参加いただき、
約55分間、音楽を通じて心と体をほぐすひとときを共有しました。
🎯 セッションのねらい
今回の目標は、
「音楽療法を体験してもらうこと」
「音楽に親しんでもらうこと」。
初めてということもあり、
安心感と参加しやすさを重視したプログラム構成にしました。
🎹 プログラムの流れと反応
まずはウォーミングアップとして、
ストレッチを取り入れた歌体操からスタート。
♪世界の国からこんにちは(0.85倍速)
に合わせて、身体をほぐします。
皆さんしっかりと動かれ、無理なく参加されている様子でした。
続いて、アカペラで
♪幸せなら手をたたこう
手→足→肩→ほっぺ→最初から……
と順番に動作を重ねていきましたが、
最後の「最初から」の部分では
「あれ、なんだったっけ?」
と少し笑いが生まれ、場が和やかな雰囲気に。
身体の動きと記憶を同時に使うことで、
脳トレの要素も自然に取り入れられました。
次に
♪手のひらを太陽にでは、
事前に皆さんと相談して動きを決め、
左右に大きく手を振る振り付けを取り入れました。
場面ごとにスタッフの皆さんが
積極的に関わってくださったことで、
参加者の皆さんも安心して取り組まれていました。
☔️ 季節の歌と楽器で感覚を刺激
季節感を意識して選んだのは♪あめふり
レインスティックという珍しい楽器を紹介すると、
皆さん興味津々で「これは何?」
と手に取って見つめられました。
蛇の目傘の話題や、
日本でもレインスティックに似た楽器がある、
という話が自然と生まれ、会話が弾みました。
♪みかんの花咲く丘では、
美しい歌声が響き渡りました。
耳が聞こえにくい方もいらっしゃいましたが、
皆さんで音を合わせようとする姿がとても印象的でした。
さらに、リズム活動としてはフルーツシェイカーを使いました。
♪高原列車は行く では、
一人ひとりに「どの果物がいいですか?」
と尋ねながら、好みのシェイカーを選んでいただきました。
見た目が楽器という感じがなく、抵抗なく演奏できます♪
とうもろこしやりんご、バナナなど、
カラフルな楽器を手にした皆さんは笑顔になり、
歌に合わせてしっかりとリズムを刻まれていました。

予定外の流れで
♪四季の歌を先に実施することになりましたが、
結果的には落ち着いたテンポで
リズムをキープしながら歌唱され、
意外な効果を感じました。
最後に本来予定していた
♪とんがり帽子を行い、
「懐かしい!」と頷かれる方もおられました。
🎵 セッションの締めくくり
エンディングには、しっとりとした気持ちで
♪瀬戸の花嫁を歌唱。
スタッフの方から
「お好きな方が多いですよ」
と伺ってた通り、
全員が声を合わせて歌われていました。
そして、クールダウンを兼ねて、
ゆったりとしたテンポの♪ふるさとを歌い、
セッションを締めくくりました。
歌いながら目を閉じる方、
手を胸に当てる方など、
それぞれが自分の心に響かせながら、
静かな時間を過ごされていたのが印象的でした。
🎼 振り返って
終了後には
「久しぶりに歌えてよかった」
「やっぱりカラオケと違って生演奏はいいね」
という嬉しいお声をいただきました。
一方で、私自身の振り返りとしては
「もう少し曲数を減らし、
同じ曲を繰り返してもよかったかもしれない」
「もっと名前を呼びかけて、
コミュニケーションの時間が取れたらよかった」
といった反省もあります。
トライアルということもあり、
どこまで踏み込んでよいか迷う場面もありましたが、
今回のご縁をきっかけに、継続セッションが決まりました。
次回以降は、よりお一人お一人に寄り添いながら、
音楽を通じたコミュニケーションを深めていきたいと思います。
「あななとともに、音楽で心動くひとときを」
これからも、音楽療法えとわは、
その想いを大切に活動してまいります。
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