こんにちは、音楽療法士の鎌谷恵里です。
2025年6月11日、神戸市内にある障がい者支援施設にて、
音楽療法のトライアルセッションを実施しました。
参加者は約20名。年齢も反応もさまざまな方々と、
初めての時間を共に過ごしました。
このセッションは、今後の定期導入を見据えた
「お試し」の位置づけ。
広いホールでのセッションは私自身も初めてで、
施設の職員の皆さんと一緒に音響の調整なども工夫しながら臨みました。
🎯 音楽療法の目的と構成
今回は60分間のセッションで、音楽によって
- 生活に楽しみや変化をもたらす
- 多様な方が「自分らしく」参加できる
ことを目標にプログラムを構成しました。
初回ということで、選曲はジャンルを広めに取り、
参加者の反応を見ながら柔軟に進めることを意識しました。
🎵 セッション前半:音楽でつかみを
♪ 世界の国からこんにちは
冒頭は「こんにちは!」のあいさつ代わりにこの曲を選びました。
スマートフォンから音源を流し、
私はロリポップドラムを持って参加者の間を巡りながら、
リズムに乗って打楽器を叩きました。
初対面ということもあり、最初は表情が硬く、
戸惑った様子も見られましたが、
「お名前に“こんにちは”を言いに来ましたよ」
と言いながら回るうちに、少しずつ反応が和らいでいくのを感じました。
♪ ドレミの歌(シェイカーリズム)
フルーツシェイカーを手渡しできる方に配り、
「ロリポップドラムの音に合わせて鳴らしてみましょう」と誘導。
その後、私がピアノに移動し、伴奏に合わせて一緒にリズムを刻みました。
曲の終わりには、参加者の方から
「サラサラ〜」と音を表現するような柔らかい振り方が見られ、
音を楽しんでくださっていることが伝わってきました。
終わり方やテンポの工夫は、次回の課題にもなりそうです。
☔ 季節の歌と、世代をつなぐ音
♪ あめふり/雨降りお月
当日はカラッと晴れていましたが、「今日はあえて雨の歌ばかり持ってきました」
と笑いを交えて「雨特集」。
「雨降りお月」などは、
ご年配の女性が懐かしそうに口ずさんでおられ、
その姿が他の方の参加にもつながっていきました。
♪ 青い山脈・瀬戸の花嫁・いつでも夢を
このあたりからは、少しリズム感のある懐メロを中心に。
「青い山脈」はリズムの良さから
若い方にも楽しんでいただけましたし、
「瀬戸の花嫁」では、海の雰囲気をイメージして
シェイカーを波のように振ってくださる方もいて、
身体と想像力の両方が自然に動いていたのが印象的でした。
🌸 後半:若い世代にも届く歌の力
♪ 翼をください
「若い方向けに」と用意していたこの曲。
サビで一気に声が盛り上がり、
男性の歌声も聞こえてくるほど活気がありました。
「この曲、知ってる!」という気づきが、
参加の大きな一歩になることを改めて実感。
♪ 世界に一つだけの花(1番×2回)
曲名を言っただけで「わあ!」
と喜ばれる参加者が複数いらっしゃいました。
「元気に参加してくださいね」と声をかけると、
1番を2回繰り返す中でリズムに乗る方や体を揺らす方が増えていきました。
この曲では、普段なかなか声を出しづらい方も
リズムや表情で参加されていたのがとても印象的でした。
🎼 最後は「ふるさと」で気持ちを整えて
セッションの終わりには、
少し落ち着いた気持ちで「ふるさと」を。
施設の職員さんがマイクを手渡してくださり、
参加者の中でも特に声が出る女性が先導するように歌ってくださいました。
広いホールにやさしい歌声が響き、他の参加者もそれに合わせて歌い、
ゆったりとした一体感の中でセッションを締めくくることができました。
🔍 トライアルで得られた学び
- マイク使用・音響バランスの調整が必要(ピアノとの兼ね合い)
- 複数の年齢層に対応できる選曲力の大切さ
- 空間が広い分、声・視線・ジェスチャーでのリードが重要
- 新しいジャンルにもチャレンジできる余地がありそう
何より、職員の方々がとても協力的で、スムーズに場を作ることができました。
✨ 音楽療法を通じて
音楽には、世代を超えて人の心に働きかける力があります。
今回のセッションでは、声に出せなかった方がリズムで参加してくださったり、
懐かしの曲でふっと表情がゆるむ瞬間が何度も見られました。
これからこの施設様には月に一度セッションに伺うことになりました♪
💬 最後に
音楽療法えとわでは、
施設の特性やご利用者さまの状態に応じて、
季節感や世代に寄り添ったセッションを提供しています。
施設での音楽療法導入をご検討の方は、
どうぞお気軽にお問い合わせください。
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