【音楽療法セッション記録】音に想いを乗せて|障がい者施設セッション

8月セッション 季節のプログラム

こんにちは。音楽療法士の鎌谷恵里です。
2025年8月13日、障がい者支援施設にて
音楽療法セッションを行いました。
この日は夏の風物詩、盆踊りの曲を使ったり、
前回終わりにいただいたリクエストに応えたりする構成で、
約1時間のセッションを皆さんと楽しみました。

♪ご挨拶とウォーミングアップ

最初は「世界の国からこんにちは」でご挨拶。
ロリポップドラムを順に叩いていただくと、
力強くリズムを刻む方、サポートを受けながらも
嬉しそうに音を鳴らす方など、さまざまな表現が見られました。
セッション冒頭から「自分の音を届ける」体験が、
安心感や場の一体感につながっているように感じました。

♪「ふるさと」と小物楽器の響き

最初の曲「ふるさと」では、
曲名を聞いた瞬間に口ずさむ方もおられ、
音楽が持つ記憶の力を改めて実感しました。
その後の小物楽器活動では、個々の音が重なり合い、
集団の中で「自分の音が受け止められる」経験を共有できました。

♪夏を感じる盆踊りの曲

「炭坑節」「東京音頭」をやってみました♪
太鼓や鈴の音が祭りの雰囲気を生み出し、
自然と振り付けや掛け声が広がりました。
皆さんの身体が動き出すことで、
非言語的な自己表現の場が生まれました。
音楽に合わせて自然と体が動くことは、
楽しさだけでなく、心身の活性化にもつながる大切な要素ですね。

♪リラクゼーションと歌の世界

「浜辺の歌」では新たな試みとして、
波の音を流しながら深呼吸を促しました。
「何の音が聞こえてきましたか?」と尋ねると
「波!」と即座に答えてくださる方もあり、
感覚刺激を通して意識が広がる様子が印象的でした。
ゆったりとした波の音とピアノ伴奏の中で
静かに歌う時間は、心を落ち着け、
セッション全体のバランスを整える役割を果たしていたように思います。

♪思い出のリクエスト曲

リクエストでは「まつり」「契り(五木ひろし)」
「妹(南こうせつ)」「人形の家(弘田三枝子)」など
いろんなジャンルの曲を歌いました。

大きな声で熱唱される方がいる一方で、
静かに耳を傾け涙ぐむ方もおられ、
同じ音楽を聴きながらも反応は多様でした。
セラピストとして、特定の方の声の大きさや
表情の豊かさに目を向けるだけでなく、
後ろの方にいる方の小さなうなずきや、「静かな反応」を
どう拾い上げ、場に反映させていくかが課題だと感じました。

♪エンディングに向けて

最後は「椰子の実」と「見上げてごらん夜の星を」。
ドラム担当の方が見事にリズムを支え、
全員で声を合わせて歌い上げる姿は
まさに音楽による協働の瞬間でした。
セッション後、「また来てね」「楽しかった」
とのお言葉をいただき、
音楽を通じて安心感や喜びを共有できたことを実感しました。


♪セラピストとしての気づき

今回のセッションでは「強い反応」と
「小さな反応」のどちらにも
価値があることを改めて感じました。
リクエストに応じることは大切ですが、
集団全体で一つになれる曲との
バランスを考える必要もあります。
また、伴奏や進行に焦らず、
曲の世界観を丁寧に表現することで、
より豊かな体験を提供できると学びました。

🟡「音楽療法えとわ」では、施設訪問セッションを行っています。

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